EOS 40D と D300、両社まるで事前打ち合わせがあったかのように時を同じくして搭載してきました。
それぞれ一長一短、特徴があります。
ライブビューの操作方法やガイダンスはダウンロードできる取説や比較サイトを見て頂くとして、
ここでは個人的に感じたことを書いてみます。
両機のライブビュー画面です。格子線の入れ方やカーソル等、メーカーの違いを感じます。
D300 はライブビューのモニター画面の明るさを調整することができます。
一方 40D には調整機能はない(ように思います)ですが、この写真の時計のように文字盤だけが明るい被写体を
最大に拡大したとき、適正な明るさで表示できたのは40D のほうでした。D300 は時として明度が上がりすぎる事がありました。
また、40D にはモニターをコンデジのように露出値に応じた明るさにシミュレートできるモードも備わっています。
D300にはこれは無く、D3 には装備されています。ただこれで絞ったり暗い場所で使ったりするとモニターが暗くなりすぎて
構図確認ができなくなるので個人的には使わないのですが、人によっては便利な機能かもしれません。
ライブビュー切り替えは 40D が便利
ライブビューモードへの切り替えは D300 がここのダイヤルを操作するのに対し、40D は SET ボタン一押しで変ります。
これは 40D のほうが圧倒的に便利です。上のダイヤルの並びを見るとわかると思いますが、D300は
ライブビュー中にセルフタイマーが使えません。2秒セルフでシャッター押し下げ時のブレを回避することが
できないのです。40D ではライブビュー中にもセルフタイマーが使えます。ここは40D が上ですね。
さらにモニター画面の拡大縮小操作も 40D のほうが使いやすいのです。D300 は左手で操作する必要があり、
撮影中に片手を離さないといけません。40D は右手親指で簡単に操作できる位置にあり、ボディから
手を離すことなく操作できます。実はライブビュー時に一番良く使うのがこの拡大ボタンなのです。
モニター画面とオートフォーカス
D300 のライブビューは手持ちモードと三脚モードがあります。大きな違いは、
・手持ちモードでは拡大率は低いが、従来のオートフォーカスが使える
・三脚モードでは拡大率が高く、コントラスト式のオートフォーカスが使える(AF速度は遅い)
それぞれのモードで画面を最大に拡大したものが上の写真です。MFが主体なら写真右側の「三脚モード」が向きます。
モニター画面は D300 が確認しやすい
この三脚モードのときの拡大率は 40D の 10倍拡大モードよりも大きく、非常に精細に見えます。
これは何といっても VGA液晶の威力でしょう。等距離で撮った画面を同じ画像処理をして並べたものです。
40D の実画面では、時計文字盤の秒間の細かい目盛りはぼやけて判読できませんでした。
3D トラッキングも使えるD300 のライブビューAF
D300の2種類のAFですが、まず「手持ち撮影モード」のAFではパタパタとミラー動作はあるものの、
D300の持つすべての AF 機能が有効です。特に 3D トラッキングが使えるのはなかなか便利。
D300 のライブビューでAFを使うときには、 上の写真の「AF-ON」ボタンが便利です。まずマルチセレクターで
合わせたいAF ポイントにもってゆき(51点あるので非常に位置決めしやすい)、AF-ON ボタンを押すと
ミラーが降りてフォーカスが合います。この状態でAF-ON ボタンを押したままシャッターを押せば撮影完了です。
三脚モードのAF は遅いのですが、事前にピントリングを回して近い場所まで手でもっていってやり、
その後に AF-ON ボタンで合わせてシャッターを切る。これでピントあわせの移動距離が少なく迷わずに撮れます。
どちらも慣れればとても簡単です。
個人的にはライブビューはMFで撮るのでAFはあまり使いませんが、ノーファインダー撮影で威力を発揮しそうですね。
D300 のライブビューAFは AF-ON ボタン+シャッターのほか、シャッター半押し→合焦→シャッター押し込む
という手順でも撮ることができます。しかしこの半押し/全押しの呼吸がいまひとつで、うっかり途中で指を離すと
ミラーだけ動いて実際は撮影されていないということにもなります。というわけで AF-ON→シャッターのほうが
ずっとフィーリングが良いと思うのは私だけでしょうか。
40D のライブビューAF
いっぽう 40D のAFはちょっと特殊です。シャッターボタンではAFしないのです。このカメラの場合は、
(1)AF-ON ボタンを押すとミラーダウン&AF駆動
(2)AF-ONボタンを一旦離す
(3)シャッターを押すと撮れる
という手順になります。D300 のように (1)を入れたまま(3)ができません。(押してもシャッターが反応しない)
これでは撮影のリズムが取れず非常に使いにくいのです。この部分は親指で AF-ON を押しつつ人差し指で
シャッターを押せる D300 のほうがずっと支えやすくリズムも崩れません。
また、40D のライブビュー AF にはちょっと致命的な欠点があります。それは・・・
この写真のようにメインの被写体を画面左にもってきて、ここに白枠を移動します。
そしてAFをオンすると、枠は左のままなのにピントは樽に合ってしまいます。白枠はAF枠ではなかった・・?
なんと 40D では「中央のエリアしかライブビューAFが効かない(※)」のですね。これは痛い。。。
(※)9点オートを使うと作図意図にかかわらず最寄のポイントに自動AF合わせされます。
また事前にAFポイントを中央以外にセットしておけばそこに合いますが、
肝心のAFポイントがどこなのかが画面に表示されないため、意図したとおりのピントにならない場合があります。
なお 40D の説明書ではワンショットAFにして中央固定での使用が推奨されています(2008.01)
で、どのくらいまでちゃんと動くのだろうと思ってテストしてみると、中央エリアの中心付近に入った物体の
近距離にあるほうに合うようです。このくらいだと時計の台がわずかに中央からずれているので、合いません。
製品カタログには 『ライブビュー撮影中のAF」を「する」に設定すれば、ライブビュー撮影中にも
オートフォーカスでピントあわせが可能です』 と書いてあります。でも中央だけとは書いていません。
9点で出来るとは書いていないから間違いではないという CANON流の解釈でしょうか。。。でしょうねぇ。
このあたり、カタログにうたっていた「システムとしての高い防滴性能」(実は全然違う)に通じるものがありますね。
ちなみにこのカタログ記述、流石にまずいと思ったのかどうかはわかりませんが現在の版は差し替えられているようです。
手元の07年8月カタログと現在 web からダウンロードできるカタログとでは
「システムとしての高い防滴性能を実現」→「システムとしての高い信頼性を実現」という表現に変わりました。
でも「アクセサリーにまで拡大した防滴性能」の見出しはそのまま。なるほど CANON・・・そうきたか。
D300 では51点のどの位置にでもAFポイントを設定でき、かつAFしつつカメラを動かしても3Dトラッキングで
追跡してくれますし、三脚モードのコントラストAFでは51点に限らず画面のどこをポイントしても合わせてくれます。
これに比べると 40D の ライブビュー AF は大きく見劣りがするといわざるをえません。
40D の静音ライブビューは便利
ただ、40D のライブビューにも優れた点が無いわけではありません。先に述べたライブビューの入りやすさ、
拡大縮小のしやすさに加え、ミラー動作が少ないぶん非常に静かな撮影ができる点は大きなメリットです。
40D のライブビューはマニュアルフォーカスで使うと便利かと思います。
要望など
40D のライブビューには、撮影時の操作性とAFの改善を望みます。せっかくの静かで低振動な機構を持つのに
この部分が弱いのは非常にもったいないですね。あ、それと背面モニターの品質向上ですね。
いっぽうのD300 はライブビュー中のセルフタイマー操作を可能にして欲しいこと、
画像拡大縮小操作を例えばAE-L ボタンにも割り当てられるようにして欲しいこと、
1枚撮影後にライブビューから抜けずにそのままライブビューモードをキープして欲しいこと、
そして更なるAF性能の向上ですね。自動顔認識AFも面白いかもしれません。
ともあれ両者ライブビュー第一号としては短期間でとても良くまとめてきたものだと思います。
遠からずこれは他の機種にも波及するでしょうし、これが必要な人は便利さを実感できる機能、つまり
カメラの商品性を確実に高められる機能です。今後もより一層使い勝手を向上させて欲しいですね。
ライブビューの便利な機能。ファインダーが覗けない状況でもファインダー代わりに構図をチェックできます。
これはほとんど真上に近い角度から撮ったもの。固定式液晶でも結構よく見えてくれます。